DIN(NEXT)フォント ―2020東京五輪誘致ポスターで採用

 
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2020東京五輪誘致ポスターのロゴに用いられたフォントは,おそらくDINで間違いないかと思われる。
ポスターデザインそのものを評価する記事は多いのに,フォントに触れているサイトがほとんど見当たらないのは,日本人のフォントに対する関心の低さの表れなのか。まあ,マドリッドやイスタンブールに比べると,書体での主張に欠ける気がするが,今後のプロモーションで日本語フォントと併記しなければならない場面は多そうだし,その際の調和を考慮したら仕方がないのかもしれない。ただ,DIN自体は人気のフォントで細いウエイトはけっこう美しい。
DINは京成電鉄が採用しているらしく,鉄道関係に詳しい人のブログで紹介されていた。
参考
http://www.nyohohodentetsu.com/html/nyohohodatafont.html
再現してみたのが下に示した画像。
2020-Din-Sample
2020-tokyo-Olympic-font-DIN
こちらがオリジナルのポスターデザイン。
フォントの良し悪しが誘致に影響するとはおもっていないけれど,後世に残るものだから美しくあったほうがいいに決まっている。DINはそれほど個性的なフォントではないが,視認性も高くてファンは多い。ヨーロッパでは多用されているみたい。
この類いのメインビジュアルは,まずロゴありきなわけで,ロゴとよく調和するフォントが選ばれるべきである。そういう意味でDINは悪くない選択だと思う。世界中の人気者・Helveticaを無難に採用するよりはいいに決まっている。
Helveticaが嫌いなわけでないよ。ただ,「ヘルヴェチカを使っておけばいいんでしょ?」的な発想で多用されすぎているきらいがあるから,ともすれば月並みな印象を与えてしまう。ブランドロゴなどの目立つ部分に使う際は,ヘルベチカは勇気がいるフォントかもしれない。